袖を綺麗に付ける為の『いせ込み』について①

さて、前回記事までは『ギャザー』について書きましたが↓

ギャザーを綺麗に作るコツ①
ギャザーというのは、例えばこんな感じに縫い縮めるデザインの事ですね↓ メンズだとあまり見かけませんが、レディースや子供服や小物などでは、ギャザーデザインを結構見かけます。 個人的にはギャザーデザインが好きですが、好みじゃない方もいらっしゃる...

ついでなので、同じ技法を使う『袖山のいせ込み』について書いていきたいと思います。

余談ですが…私の記事では『やり方』と『なぜそうした方が良いのか?という簡単な理屈』をなるべくセットで書くようにしています。

なので、ちょっと面倒な印象を受けるかもしれませんが、

例えば身近なお料理として考えてみた時に、

『ナスはカットしたら、水にさらします』

と、書いた本と、

『ナスはアクがあるので、カットしたら水にさらします』

と書いた本があるとしたら、

何故水にさらすのか理解出来ていた方が、次のお料理の時に役に立つわけです。

理解した上で、『アクも栄養だから』と水にさらさない選択も出来ます。

同じように洋裁、ハンドメイドも少し理屈を知っておくと、洋裁本に書いてある事がそれぞれちょっとずつ違っても、

自分のやり方で進める事が出来て、結果的に早くて綺麗な仕上がりにつながると思いますので、

参考にして頂けたら嬉しいなぁと思います(*’ω’*)

さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります。

◉いせ込みとは?

『いせ込み』とは平面である布に丸みを作る技法…というような説明がよくありますが、よく分からないので(^_^;)

単純にいうと、

10㎝の長さの布に、11㎝の長さの布を、うまいこと馴染ませて縫い合わせる…そんな感じです。

袖山だけではなく、カーブの裾を折り上げて縫う時なんかにも、『いせ込んで』縮めて縫いますね。

袖の図で説明するとこういう事です↓

◉なぜ、袖山にいせ込み(ギャザーのように二本縫って縮める)が必要なのか?

肩が丸くて立体的なので丸みを作る。というのはもちろんなのですが、

肩(腕)は前後左右上下に動かします。

つまり動かす為の、袖山のゆとりを作らないと、動きづらく着づらい服になってしまうということです。

◉ちょっと知っておいて欲しい、袖山の知識

基本的に袖山が高くなると、袖幅が細くなります。

そして、これはいせ込み(ゆとり)にも関わってきます。

(※ここでは伸縮しない布地を前提としています)

基本的に

袖山が『高い』袖のデザインは、

•肩にフィットしたキレイめな仕上がり

•袖の幅が細いデザイン

•どちらかと言えば、大きな動作はしづらい(スポーツをする服には向かない)

→つまり、いせ込み(ゆとり)が必須

またブラウスなどに比べ、中に色々着込んでから上に着るコート、ジャケットなどは、いせ込み(ゆとり)分量も多くなります。

一方で

袖山が『低い』袖のデザインは、

•肩にゆとりがあるカジュアルな仕上がり

•袖の幅が太いデザイン

•動きやすい

→ほぼいせ込みが無くても可

ギャザーのように二本縫って縮める作業をせずに袖を付けることができる)

と、上記を踏まえて(例外はありますが)お洋服の写真を見た時に、

『エレガントな印象で、袖が細めで素敵』なデザインの袖山は、

いせ込みが必要。

『カジュアルな印象で、袖が太めで動きやすそう』なデザインの袖山は、

いせ込み(二本縫う作業)しなくても袖が付けられそう。

と、いうことが何となく解っちゃいます(°▽°)ちょっとプロっぽいですよね!

さて、次回は『袖山のいせ込みの方法』について書いていきたいと思います。

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