さて、前回記事までは『ギャザー』について書きましたが↓
ついでなので、同じ技法を使う『袖山のいせ込み』について書いていきたいと思います。
余談ですが…私の記事では『やり方』と『なぜそうした方が良いのか?という簡単な理屈』をなるべくセットで書くようにしています。
なので、ちょっと面倒な印象を受けるかもしれませんが、
例えば身近なお料理として考えてみた時に、
『ナスはカットしたら、水にさらします』
と、書いた本と、
『ナスはアクがあるので、カットしたら水にさらします』
と書いた本があるとしたら、
何故水にさらすのか理解出来ていた方が、次のお料理の時に役に立つわけです。
理解した上で、『アクも栄養だから』と水にさらさない選択も出来ます。
同じように洋裁、ハンドメイドも少し理屈を知っておくと、洋裁本に書いてある事がそれぞれちょっとずつ違っても、
自分のやり方で進める事が出来て、結果的に早くて綺麗な仕上がりにつながると思いますので、
参考にして頂けたら嬉しいなぁと思います(*’ω’*)
さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります。
◉いせ込みとは?
『いせ込み』とは平面である布に丸みを作る技法…というような説明がよくありますが、よく分からないので(^_^;)
単純にいうと、
10㎝の長さの布に、11㎝の長さの布を、うまいこと馴染ませて縫い合わせる…そんな感じです。
袖山だけではなく、カーブの裾を折り上げて縫う時なんかにも、『いせ込んで』縮めて縫いますね。
袖の図で説明するとこういう事です↓
◉なぜ、袖山にいせ込み(ギャザーのように二本縫って縮める)が必要なのか?
肩が丸くて立体的なので丸みを作る。というのはもちろんなのですが、
肩(腕)は前後左右上下に動かします。
つまり動かす為の、袖山のゆとりを作らないと、動きづらく着づらい服になってしまうということです。
◉ちょっと知っておいて欲しい、袖山の知識
基本的に袖山が高くなると、袖幅が細くなります。
そして、これはいせ込み(ゆとり)にも関わってきます。
(※ここでは伸縮しない布地を前提としています)
基本的に
袖山が『高い』袖のデザインは、
•肩にフィットしたキレイめな仕上がり
•袖の幅が細いデザイン
•どちらかと言えば、大きな動作はしづらい(スポーツをする服には向かない)
→つまり、いせ込み(ゆとり)が必須
またブラウスなどに比べ、中に色々着込んでから上に着るコート、ジャケットなどは、いせ込み(ゆとり)分量も多くなります。
一方で
袖山が『低い』袖のデザインは、
•肩にゆとりがあるカジュアルな仕上がり
•袖の幅が太いデザイン
•動きやすい
→ほぼいせ込みが無くても可
(ギャザーのように二本縫って縮める作業をせずに袖を付けることができる)
と、上記を踏まえて(例外はありますが)お洋服の写真を見た時に、
『エレガントな印象で、袖が細めで素敵』なデザインの袖山は、
いせ込みが必要。
『カジュアルな印象で、袖が太めで動きやすそう』なデザインの袖山は、
いせ込み(二本縫う作業)しなくても袖が付けられそう。
と、いうことが何となく解っちゃいます(°▽°)ちょっとプロっぽいですよね!
さて、次回は『袖山のいせ込みの方法』について書いていきたいと思います。
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