さて、前回記事では縫い目の仕上げ方は、3種類あるという事をご説明しました↓
『どんな時に、どの仕上げ方を選んだら良いのかしら?(´∀`)』
という疑問に対して、今回はいくつかの基準となるポイントを紹介していきたいと思います。
これを知っておくと、ちょっプロっぽい仕上がりになりますので、もしよろしければ参考になさってください(°▽°)
A【裏に控えて仕上げる】…裏側の方に表側が少し見えるように仕上げる。
この仕上げ方は洋裁本にもよく掲載されてますし、ご存知の方も多いですよね。
その中でも特にこの仕上げをおすすめする事例が、『ステッチをかけない』場合。
(ちなみにカフスや衿などにステッチをかけないと、作品の仕上がりの雰囲気がソフトに見えたりします)
この場合はやや多め(1.5〜2㎜程度)に裏を控えます。
理由は洗濯などにより、布地が動き、ヨレたり、たるんだりして裏側布が表に見えてきてしまうことがあるからです。
特に裏側は芯を貼らない場合も多く、たるみ易いという事もあるため【裏を多めに控える】仕上げがお勧めです。
B【毛(け)ぬき合わせに仕上げる】…表側から見ても裏側から見ても控えが無いように仕上げる事を言います。
(表から見て裏布が見えない、裏から見ても表布が見えない)
これも良く使われる仕上げですが、その中でもこの仕上げをお勧めする事例が3つあります。
一つ目は、
『端から1〜1.5㎜程度の細いステッチをかける』場合、
これはAのように【裏を控えて仕上げる】と裏のステッチが外れてしまう事があります(´Д` )
写真を見ると分かると思いますが、一部でもステッチが外れたりすると、例え裏面とはいえ美しい仕上がりとは言えません。
その為、【毛ぬき合わせ】に仕上げる事をお勧めします。
そして、もう一つ。表面と裏面に違う色の布を使っている場合。
写真を見ても気にならない方もいらっしゃると思いますが、(実は私もです)
裏側に表側の布の色が見えるのは、縫製としてはあまり美しくないようです…(´ω`)
なので、この場合も【毛ぬき合わせ】にするのがお勧めです。
最後にもう一つ。↓写真のようなコートの衿の場合。
こちらは『ステンカラー』と言って、ボタンを上まで留めても着れるし、ボタンを開襟しても着れるタイプの衿です。
つまり、首元近くの衿部分は表面を見せても裏面を見せても美しい仕上がりでないといけないという事です。
その為この場合も【毛ぬき合わせ】をお勧めします。
C【表を控えて仕上げる】…『裏に控える』の逆の仕上げ方。表側の方に裏布が少し見えるように仕上げる。
3種類の仕上げの中で『いつ使うんだろう?(o_o)』と思うのが、これですね。
上の写真のようにデザイン的に使う事もありますが、
実はもっと身近で使われている仕上げが、こういったジャケットなどの衿です↓(これはテーラードカラーと言います)
これは衿が折り返るポイントの上下で仕上げ方が違います。
★ポイントより上が【C前身頃の表を控える】仕上げ 、
★ポイントより下が【A前身頃の裏を控える】仕上げになっています。
このように仕上げる事により、表側から見た時に美しい仕上がりとなりますね(´∀`)
(※もちろん、毛ぬき合わせでもOK)
さてさて、今回は少しプロを意識した仕上げをご紹介してみました(°▽°)
これは決まりという訳では無いですし、どんな仕上げ方をしても間違いというわけではありません。
『なるほどね〜仕立てが良く見える服って、色々こだわって作られてるって事なのね!(*゚∀゚*)』
って感じのご感想を頂けたら、作り手としてはとても嬉しく思います。
さて、次回は『角の綺麗な出し方*直角編の番外編』をお届けしたいと思います。
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