前回記事では『鋭角の綺麗な出し方(厚地)とバターナイフを洋裁道具として活用する方法』についてご紹介しました↓

今回はまず、前回ご紹介した便利な小道具『バターナイフ』の活用術をご紹介していきたいと思います。
『鉄は熱いうちに打て』という言葉がありますが、縫製業界にも、『布は熱いうちにつぶせ』なんて言葉が…無いんですけれど( ̄(工) ̄)それに近い事を言われます。
例えば、コットンなどアイロンがかかりやすい布(折りやすい)は良いのですが、
厚みがあったり、ハリが強かったり、ツルツル、フワフワしていたり…アイロンで折っても元に戻っちゃう布ってありますよね(´Д` )
そんな時は、折った布がアイロン熱で柔らかい内に、上から何かで押さえたまま熱を冷ますことで、
しっかり折れた状態にすることが出来ます。
そのため縫製業では、『アチチチ…(´Д` )』と言いながら、アイロンでホカホカの布端を指で押さえたり…なんてことも実際ありました。(『おもし』を使ったりもします)
長年縫製業界にいましたが、指の皮はそんなに厚くはなりませんでした。熱いものは熱いです。
そこで、私よりもきっと指の皮が薄い皆さんがヤケドをしてしまわないように、使っていただきたいのがバターナイフ活用術ということになります。
実は私、このバターナイフを以前の記事『直角編①』から、すでに活用しておりました(°▽°)
使っていた場所はココです↓

鋭角編でももちろん使っていたのですが、角を綺麗に仕上げる為のテクニックとして、
折った部分をしっかりつぶして平らにしておくというのは、とても有効です(°▽°)
(もちろん、『重し』をしておくのでも良いですよ)ぜひ、活用してみてくださいね(о´∀`о)
そして、もう一つ『鋭角を綺麗に仕上げる為の補足』について。
これは割とやってしまいがちなんですが…
鋭角を最後に綺麗に仕上げようとして、上から強くアイロンをかけていませんか?
ちょっと想像してみて下さい。
皆さんの目の前に、あんこがたっぷり入った大きな『あんぱん』があります。
紳士淑女の皆様は、人前で大きな口で召し上がるなんて事はしないでしょうから、
このあんぱんを上からつぶして平らにしましょう。(小さくちぎらない)
さて、つぶれたあんぱんはどうなったでしょうか?
…中身のアンコが出てきた?( ̄(工) ̄)いえいえ、今回注目してもらいたいのはソコではなくて。
『あんぱんが広がって、ひとまわり大きくなりましたよね?』ということです。
中身の詰まったあんぱんは、つぶれた事で面積が一回り大きくなりました。
例えば、前回作った衿先を上からアイロンで押しつぶすと、せっかくシャープでとがった衿先が作れたのに、丸みが出てしまうことがあるのです(´Д` )
これだと、今までの全てのテクニックも水の泡ですよね…(´Д` )↓



さらに、縫い代が重なった部分というのは特に、アイロンで強く押しすぎることによるアタリやテカリが出やすいです。
(アタリ、テカリ→繊維が押しつぶされて、その部分の仕上がりの見た目が悪くなった状態)
『どうしてもかけたい!整えたい!』という場合には、軽〜くアイロンをあててかけるか、
『手アイロン』で整えるというのも有効です。
(これはセーターなど普通はアイロン掛けをしないものの形やシワを整える際にも使える、クリーニング店などでも使われているワザです)

鋭角部分はできるだけ、アイロンで押しすぎないことに注意して、すでに見た目が美しく仕上がっているなら、そこだけはノーアイロン、そのままステッチをかけてしまってオッケーです。
特に衿先をアイロンで仕上げる際には気をつけてくださいね。ご参考までに(´∀`)
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