前回記事では、『鋭角の角を綺麗に出す方法(薄地〜厚地)』をご説明いたしましたが↓
今回は厚手の布地で綺麗に鋭角を出すコツのご紹介です。
先にお伝えしておきますが、今回の鋭角編でのやり方は前回記事↑の『鋭角編①』でのやり方とほぼ同じになります。
そのため、細かな説明については『鋭角編①』をご参考になさって頂ければと思いますm(_ _)m
今回は厚手生地という事ですので、ウールコートの残り布に両面接着芯を貼って衿を作っていきます。
裏面(白芯側)の角の芯のみを貼り残し、衿を縫ってから裏面衿先の芯のみカットしてある状態で、『毛ぬき合わせ』に仕上げをしていきます。
①表衿の裏側を上にして、長い方の縫い代を角の部分だけアイロンで倒す。
(今回は毛ぬき合わせに仕上げます)
この時、なるべくミシンの縫い目が見えるギリギリで折る。
②次に両側の縫い代を同じように、角の部分だけはしっかり、なるべく縫い目ギリギリで折る。
(角はアイロンでしっかり上から圧をかけて押さえておくと仕上がりが綺麗になります)
③(②)で折った縫い代を一旦開き、衿角から3㎝程度下の方から、
衿の角の縫い目より3㎜程度離れた箇所(★)を直線で結んだ、縫い代をカットする。
④開いた縫い代を綺麗にたたみ直し、折った角をしっかりと指で押さえたまま衿を表に返す。
角を指で押し出し、目打ちで両方の角を綺麗に整える。
さて、ここで『厚手なのにもっと切らなくて角は綺麗に出るの?(´Д` )』と思っていらっしゃる方、
その切りたい気持ちをグッとこらえて、下の写真をご覧になって下さい。
左側は角を多めにカットした方で、今回ご紹介しているカットの仕方で仕上げた右側の角より、
ちょっぴり丸みが強めに見えますね。
(ちなみに個人的には、この丸みが強い方の仕上がりも、ちょっとフェミニンに仕上げたい時などデザインによっては有効だと思います)
つまり、コート位の厚みになっても、この方法で綺麗に鋭角を出す事が可能なんです(°▽°)
でも、もしかしたら、もっと厚手だったり、もっと固い布地に闘いを挑む猛者もいらっしゃるかもしれませんね(´Д` )
そうしたら、最後の手段、
長い方の縫い代を開いて、表衿側の縫い代のみ角の3㎜程離れた所から3cmほど斜めにカットする工程を追加してみて下さい。きっと厚みが程よくなると思います。
次に、
⑤ 袋状になった衿の中の縫い代を割る。
(中央から左に向かってアイロンの先を衿の角に近い部分まで差し込んで縫い代を割り、
衿の方向を上下変えて同じようにかけるとかけ易いです)
⑥ 次に両サイドを『便利な小道具、ダイソーのステンレス定規』を使って綺麗に整え…たいところなのですが、これは今回は使っちゃダメです( ̄(工) ̄)!
(便利な小道具『ダイソーのステンレス定規』についてはこちらの記事をご覧ください↓)
形が合わない鋭角に無理矢理、四角の定規の端を押し込むと布地が破れたり、穴が空いちゃうかもしれません(´Д` )
そこで、その代わりになる、今回ご紹介したい便利な小道具はコチラです↓
ダイソーのキッチングッズ売り場で買える『バターナイフ』です(°▽°)
おまけにサビに強いステンレス製!
世界広しと言えども、洋裁道具としてバターナイフを使用しているのはワタクシただ一人…
でも世界は広いから、二人?…いえ三人位はいるかもしれませんが。( ̄(工) ̄)トリオ.ザ.バターナイフデス
とにかくネタでは無くて、ちゃんと使用していて便利な小道具ですので、皆さんにもぜひ、ご紹介しておきたいと思います。
使い方は以前『直角編④』でご説明した定規の時とほぼ同じです。
まず中の縫い代の上にバターナイフを差し入れ、バターナイフの先端の方の辺(へん)を使って、
右側サイドに押し付けるようにして、中の縫い目を押し出す。
(※差し込む際、中の縫い代がグチャっとならないように注意)
(↓※分かり易くする為に、衿の上にバターナイフを乗せて説明していますが、実際の作業は中に入れて行ってください)
押し出した縫い代が戻らないように、上からしっかりと指で押さえながら、バターナイフをスッと抜く。
⑦アイロンでサイドの形を固定し、毛ぬき合わせに整え、逆サイドも同様に整える。
⑧衿上側の縫い目もアイロンで毛ぬき合わせに整えたら完成です。
ちなみに、定規の時も書いたのですが、このバターナイフの尖った先端部分を使って、鋭角を出そうとしてはいけません。破れや穴あきの恐れがあります(´Д` )
あくまでも、鋭角を先に目打ちで整えておき、バターナイフの辺(へん)を使ってサイドの縫い代を押し出すチカラに引っ張られることで、形も綺麗に整います。
ぜひ使ってみてくださいね(*’ω’*)
さて、次回は『鋭角・補足編』と今回の『便利な小道具⑧バターナイフ』の活用法をご紹介していきますので、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです(´∀`*)
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