綺麗な角の出し方『鋭角編①薄地〜普通地』

今回の記事は以前アップした《綺麗な角の出し方『直角編①〜④』を先にお読み頂く事で、より分かりやすい内容となっておりますので、よろしればそちらから先にご覧ください↓)

角の綺麗な出し方『直角編①薄地〜普通地』
何度もいいますが、洋裁やハンドメイドに決まりは(ほぼ)ありません。 そんなわけなので作品の作り方は人それぞれ色々あります。 『同じような作品なのに、この間買った本と、今日買ってきた本に書いてあるやり方が違う…(´Д` )どっちのやり方が良い...

さて今回から数回にわたって、『鋭角(直角より小さな角度)を綺麗に出す』テクニックやそのコツをご紹介していこうと思います。

『直角編』でも書きましたが、人それぞれ様々なやり方があり、正確・不正解というのはありません。

ここからは私の縫製関連会社での経験を元に、更に『家庭のハンドメイド用』として良い感じにまとめてみましたので、ご参考にしていただけたら嬉しいです。

今回は例として衿の角を作っていきます。

一般的に多いと思われるのが、このようなカットをしてから角を出すやり方。

これも悪くないですよね(*・ω・)なんなら元会社の先輩はこのやり方しておられました。

でも『直角編』でもお伝えした通り、このやり方だと角の先の方が綺麗にたたみづらく…

直角に比べて鋭角は中が狭いので、厚みの逃げ場が無いのです。

なので無理やり詰め込まれた先が丸くなりがち。衿先を目打ちで出し過ぎて角がほつれがちに(´Д` )

更に『衿』という部分にフォーカスしていうと、ここが洋服で一番人の目につく部分です。

衿付けは会社の一番縫製上手な人が担当するといわれている箇所で、(ちなみに二番目に気を使うのは袖付け)

衿が綺麗なら全体が美しく見える、逆にいえば他の部分が綺麗に縫えているのに、衿で台無しに見えちゃうなんて事もあります。

そんなわけで、なるべく綺麗に仕上げる為のテクニックというのを、ご紹介していきたいと思います。

(今回はシーチングよりちょっと厚手位までの厚さの布地で、『裏を控える』仕上げをしていきます)

①衿に芯を貼る際『直角編のカフス』の時と同じように、角の芯を貼り残し、衿を縫ってから衿先の芯のみカットする。(今回は表衿側のみ芯を貼っています)

②表衿の裏側を上にして、長い方の縫い代をアイロンで倒す。

この時、ミシンの縫い目が見えるギリギリで折る。次に両端も同じようにアイロンで折る。

(アイロンでしっかり上から圧をかけて押さえておくと仕上がりが綺麗になります)

③②で折った縫い代を一旦開き、衿角から3㎝程度下の方から、

衿の角の縫い目より3㎜程度離れた箇所(★)を直線で結んだ、縫い代をカットする。

④開いた縫い代を綺麗にたたみ直し、折った角をしっかりと指で押さえたまま、衿を表に返し、角を出来るだけ押し出す。

そして、目打ちで角を綺麗に出す。(綺麗にたたまれているので、目打ちで出した時、整いやすいと思います)

⑤両方の角を整えたら、裏衿側を上にして、裏衿側に1〜1.5㎜程控えてアイロンで仕上げて完成(°▽°)

さて、ここからは折り方に関する説明していきたいとと思います。

まず②③の折る順番に関して、衿の場合は左右を同じ順番に折るというのは特に重要です。

『直角編』でも書きましたが、右端を折って、長い方を折って、左端を折る…というように

左右で折り重なる順番を変えると衿先の仕上がりが微妙に変わってしまいます∑(゚Д゚)

衿はカフスと違って、仕上がった時の左右の位置が近いため、左右の形の違いが分かりやすいんです。

そのため、なるべく同じ形になるように仕上げる事がポイントです(*’ω’*)

次に③のカットの仕方。

鋭角は特に中身の厚みを減らそうと、もっとカットしたくなります。

その気持ち凄くよく分かります!切りたくてハサミを持つ手が震えるほどに…( ̄(工) ̄)

私も以前は、縫い代をカットすればするほど綺麗に仕上げられると信じていて、綺麗に仕上がらなかった時は、更にギリギリまでカットして、

最終的に角がホツれるという、迷宮の森に迷い込んでおりました(´Д` )

『縫い代があった方が綺麗に角が押し出される』

これは直角編でもお伝えしましたが、鋭角でも同じこと。

もしかすると、鋭角の方がその効果が出るように思います。

そして、更にもう一つ重要なポイントをお伝えしておきます。

それは『目打ちで引っ張り出す部分』について

言葉では説明しづらいので、写真を見て頂きましょう。

お分かり頂けましたでしょうか?

写真で示す方(巻き込んでいる方)の縫い目を目打ちで引き出すようにすると、より綺麗に出す事が出来ます。

もちろん直角でも同じですので、ぜひ参考にしてみて下さいね(*´∀`*)

次回は厚みのある布地(厚地)の角出しテクニック&便利な小道具シリーズ⑧のコラボ記事です(*゚▽゚)ノ

お楽しみに。

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