布の地直しについて②布別の性質知識編

さて、今回は家庭のハンドメイドをする際に注意したい布の性質と、基本的な地直しの仕方を簡単に説明していきます。

(前回の①↓からお読み下さるとより分かりやすくなっています)

布の地直しについて①役立つ予備知識編
さて、布物のハンドメイドをする際、一番必要なもの、それは『布』ですよね。 今回から①〜④に記事を分けて、布に関する知識をからめながら、 最終的に布の地直しに関するワザを、私の失敗談も含めて書いていきたいと思います。 (ちなみに、地直しに関連...

ちなみに、今回の記事は参考資料として書いていますが、

長いし、正直読み流して頂いても( ̄∀ ̄)笑

サラッと読んで、

『なんか…覚えるの面倒くさい(´Д` )』

と思ってもらう事が今回の本当の狙い?です( ̄(工) ̄)ニヤリ

その面倒くささの、解決策を次回の③の記事に書いていきたいと思っていますので、

ぜひ最後まで読んだ皆さまの、

『なんか面倒くさいね…(´Д` )』の声を期待しております笑

では、まず最初の素材説明から。

【綿•麻】

扱い易く、ハンドメイドでは一番好まれる素材だと思います。

メリットとすれば、洗濯機で簡単に洗うことができ、アイロンの熱にも強いこと。

デメリットとすれば、水で縮んだり、色が落ちる可能性があること。

(ちなみに、特に麻は綿より縮みが激しいものもあり、既製服ではドライクリーニング指定表示にされているものも)

洋裁本で紹介されている地直しは、布を1時間程水につけるという方法が多いようですが、

個人的に使うものであれば、一度洗濯をして短時間の脱水後に干し、アイロン(180〜200℃)で整えるのが理想的。(それ以上の縮みも色落ちもしづらいので)

ただし、ハンドメイド販売用などの場合、多くの手間がかかってしまったり、

シワが多く発生する恐れもあるため、洗濯はせずに、

スチームアイロンか霧吹きを使い、たっぷりの蒸気と熱で整える事で、ある程度布地を先に縮ませておく事が可能です。

ちなみに、チェック柄やボーダー•ストライプ柄は柄のゆがみが分かりやすい為、

手で縦横斜めに引っ張ったり、

伸びない為にゆがんでいることの多い、布地のミミに切り込みを入れたりしながら、

アイロンでゆがみを直しておかないと仕上がり作品もゆがんでしまいますので注意が必要です!

【ウール】

ウールは水洗いで縮んだり、風合いが変わる恐れがあります

地直しは、裏面から霧吹きでまんべんなく、水分を与え軽くたたんで、1時間程放置してから、

中表に折った状態で、更にスチームアイロン(140〜160℃)をかけて整え

自然放置で熱を逃がし、乾くまで待つのが理想的。

【ポリエステル】

こちらもお馴染みの素材。石油系の原料を使用した素材です。。

静電気が起きやすかったり、『化繊(化学繊維)』は肌が痒くなる…などとデメリットもありますが、

丈夫で、水にも強く(縮まない)、シワになりにくく、熱にも割と強い、という点では、

家庭のお洗濯にも大変向いている素材だと思います。

地直しもドライアイロン(110〜140℃)で裏側からササっとシワを伸ばせばオッケー。

(品物によってはテカリが出る可能性がある為、アイロンは低温から試すのがおすすめ)

【ナイロン】

こちらはポリエステルと良く似た丈夫な素材。石油系の原料を使用。

ポリエステルとの大きな違いは熱に弱い事。

水洗いなど家庭のお洗濯にも向いていますが、

地直しのアイロンは低温ドライ、でササっとシワ伸ばしか、当て布使用もおすすめ。

【レーヨン】

化学繊維の一つですが、原料は天然素材の木材パルプ由来。

肌触りが良くシルクのようですが、水に弱く、縮んだり、シワになりやすいのが難点。

ドライクリーニングか手洗いがおすすめ。(ただし、水洗いで風合いが変わってしまう事も)

地直しのアイロンは低温ドライ、当て布使用もおすすめ。

【キュプラ】

化学繊維の一つですが、原料は天然素材の綿花の一部分。

裏地などでもよく使われますね( ´∀`)

レーヨンと似て風合いが良いのですが、こちらも水に弱く、雨や汗がシミになることも。

比較的シワにもなりやすい素材ですので、ドライクリーニングか手洗いがおすすめ。

(ただし、水洗いで風合いが変わってしまう事も)

地直しのアイロンは低温ドライ、当て布使用もおすすめ。

【ポリウレタン】

名前を聞いただけだと『ポリウレタンって布なの?(´Д` )』って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

実は凄く身近な繊維素材なんです。

皆さんが普段着ている、伸縮する素材のTシャツや、水着、伸縮するストレッチパンツ、合皮のジャケットなどなど…

様々な衣料品の素材に使用されてます。

ハンドメイドに使う布地でも、伸縮する布(セーターのような編んだものでは無く織物)はこれが配合されている可能性が大。

ポリウレタンは熱と湿気に弱い為、地直しの際はドライアイロンの低温で。

お洗濯して湿ったまま放置すると、素材の劣化が早くなるので注意!

更に塩素系漂白剤もポリウレタン繊維をダメにしてしまうので、

漂白はポリウレタンの有無を調べてからをおすすめします。

そして、この素材の大きな特徴は『経年劣化』

通常2〜4年で、自然に劣化してしまうため、

布地を買う際にも、既製服を買う際にも、その点を理解しておくと良いですね。

『高かった合皮のバッグ。数回しか使っていないのにボロボロにハゲてきたんだけど、なんでー⁉︎(´Д` )』

なんて事ありませんでしたか?(パンプスや合皮ジャケットなども)

それはきっとポリウレタンの劣化です。

※バッグや靴の素材表示には合成皮革(合皮)と書いてある場合が多いです。

例えば、ストレッチジーンズには3〜10%のポリウレタンが入っていて、

そのお陰で伸びが良く、履きやすいのが今や世の中の常識となっている訳ですが、

『あれ?(´∀`)3年前から履いてるデニムがゆるくなってる?アタシ少し痩せたかも!』

と思ったそこのアナタ。

それはきっと『ポリウレタンの劣化』かも知れません。(伸びただけ)

( ̄(工) ̄)ナンカゴメン…

と、いう事で今回は割と身近な素材についてのみ簡単に書いてみました。

皆さま、無事記事の最後まで辿り着きましたでしょうか?

『面倒くさ…』って言ってますね!(๑˃̵ᴗ˂̵)

世の中には本当〜に色々な繊維素材が使われた布があります。

つまり、教科書通りに地直しの仕方を覚えたとしても、

『レーヨン➕ポリエステル➕ナイロン』という合わせ技でこられたら、

何を参考にして良いのか、きっとお手上げ状態になる事でしょう(´Д` )

そんな訳で、次回は

『どんな素材の布にも対応する為の解決策』として、

『布の地直しのお話③実技編』をお届けいたします!(°▽°)

布の地直しについて③実技編
ブログにお越し頂きありがとうございます( ´∀`) さて、前回の記事↓は布別の性質や簡単な地直し、お役に立ちそうな情報について書きましたが、 世の中に布なんて沢山ありすぎるし、その性質を全部覚えられるわけがないし… 正直覚え無くても良いと思...

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