さて、布物のハンドメイドをする際、一番必要なもの、それは『布』ですよね。
今回から①〜④に記事を分けて、布に関する知識をからめながら、
最終的に布の地直しに関するワザを、私の失敗談も含めて書いていきたいと思います。
(ちなみに、地直しに関連する『布目の通し方』の記事はコチラ↓)
多くの洋裁本によく書かれているのが、
『買ってきた布は地直ししてから使わないと、お洗濯したら歪んだり、縮んだりしちゃいますよ』って事。
『せっかく時間かけて作ったのに、お洗濯したら一回でダメになっちゃった…(´Д` )』
なんて経験した事は無いですか?
私は沢山あります…( ̄(工) ̄)
地直しのやり方も簡単に洋裁本に書かれている事が多いですが、
そもそもの布地の特性についてまでも、書かれた洋裁本はなかなか無いので、
一見関係ないように思えるかもしれませんが、地直し前に知っておくと役立つ予備知識として、
『少し目線を変えて』書いておきたいと思います。
…それは『クリーニング店の知識と経験からの目線』です(°▽°)
私は昔、クリーニング店の受付の仕事もしていたのですが、
クリーニングとハンドメイドは一見関係ないようですが、経験は現在のハンドメイド製作にも役に立っていたり、日常的にも活かされてます(°▽°)
その上で、まずクリーニング店の基本的な知識ですが、
大まかに『ドライクリーニング』と『水洗い』2種類の洗い方があり、ドライクリーニングというのは名前の通り水を使いません。
ものすごく簡単に言ってしまえば、『油のような溶剤』で洗います。
特徴として、油は油に馴染む性質から、皮脂などの油汚れがよく落ちます。
逆に汗などの水溶性の汚れは非常に落ちにくいです。
反対に水洗いクリーニングは、油汚れが落ちにくく、汗など水溶性の汚れがよく落ちるということですね。
(補足ですが、スーツなど普段ドライクリーニングしかしない衣類は、汗汚れが蓄積されてしまい、
洗ったのになんか臭う…なんて事にも(´Д` )
そんな時は型崩れ等を防ぎつつ、水を通す特殊な〈汗を抜く〉クリーニングもありますので、お店に相談してみて下さいね)
その為、クリーニング店では洋服の内側についている洗濯表示や、汚れ具合などよって洗い方を変えてくれているという訳です。
ちなみに、ハンドメイドの服は洗濯表示がない物がほとんどですので、
場合によってはクリーニングをお断りされてしまうことも…(´Д` )
私も、自分で作った、自宅でお洗濯すると型崩れやシワになりそうなコートなどは、
『自己責任でドライクリーニングでお願いします』と頼んでいますが、とても綺麗に仕上げて頂けます。(コートの水洗いは型崩れや色落ちなどがしやすい為、ドライクリーニングがおすすめ)
ちなみに、洗濯表示というのは市販のお洋服には必ず付いていて、
2021年からは世界共通の表記となりましたので、
例えばフランスで買ったブラウスも、フランス語が読めなくても、表示記号が分かれば、誰でもちゃんとお洗濯できちゃうということなのです。
(消費者庁の参考資料↓)
例えば、このニットの洗濯表示だと、
『水洗いはダメ。ドライクリーニングしてね』(‘ω’)って事なんですが、
じゃあ、何で水洗いしちゃダメなの?っていう理由が、
使われている布の性質だったりするわけです。
(布地ではなく服に付いているビーズなどの付属品が関わっている場合もあります)
この場合、多分レーヨンの配合が多い為だと思います。
レーヨンという素材は、肌触りもよく洋服の裏地やブラウス等にも使われますが、原料が木材由来。
デメリットとして、水に弱く縮むという性質を持っている為、このお洋服はドライクリーニングを勧めているのだろうと読み解く事ができます。
そんな感じで、布地の性質をちょっと知っておくと、
自宅でお洗濯したいハンドメイド作品や、洋服の素材選びへの参考にもなる訳ですね(°▽°)
これをふまえて、次回は家庭のハンドメイドをする際に注意したい身近な布の性質と、
基本的な地直しの仕方を簡単に説明していきます( ´∀`)
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