さて今回は、ちょっと特殊な?『ミシンの押さえ』のご紹介です。
皆様、家庭科の授業などでミシンを使ったことがあると思いますが、
ミシンって『前後にしか進まない(縫えない)』って思っていませんか?
実は!このミシン押さえを使えば、
前後左右・斜め・カーブなど、まるでお絵描きをするようにミシンでステッチが出来ちゃうんです(°▽°)
私が二年ほど前にAmazonで購入したこのミシン押さえは、『キルト押さえ』や『フリー押さえ』などと呼ばれているもの。

残念ながら取り付けられないミシンもあるのですが、刺繍機能がついているミシンには大体取り付けられると思います。
(ちなみに、ご購入の際はミシンメーカーやミシンの型番によって押さえが異なりますので、
間違えないようにミシンメーカーなどにお問い合わせすることをオススメいたします)
では、実際にこの押さえを使ってどのように縫えるのか説明していきましょう(°▽°)
参考画像は以前ご紹介したコチラのオーガンジレース付きチュニックブラウス↓
https://sewing-norr.net/3patterns-tunic/

少しアパレル業界の裏話?的なお話をしますと…
プチプラお洋服にこのようなレースを付けるとすると、大抵『直線』のミシンステッチで取り付けます。(メーカーによっては接着剤を使ったりもします)

この縫い付け方だと、例えばお洗濯をした際にレースの端がめくれてしまい、いちいち綺麗に整えてアイロンしたりしないと
購入当時のような綺麗な見た目のまま着れないんですよね( ̄(工) ̄)トテモ、メンドウ

逆に『プチプラでは無いブランド』の国産お洋服に、このようなレースを縫い付ける場合
『レースの輪郭に沿って、手まつりかミシン縫い』という手法がとられることが多いです。
手間のかかり具合も価格に反映されているということが分かりますよね( ̄▽ ̄)

余談ですが、過去お勤めしていたアパレル縫製会社で私が新入社員だった頃、
袖口に5㎜のステッチを入れなくてはいけないのに6㎜ステッチで縫ってしまったことがありました。
その差1㎜…これ、どうなったと思いますか?(・Д・)
社長判断で、40着分全部ほどいてステッチのやり直しをいたしました( ̄(工) ̄)
他の社員の皆さんにもほどきを手伝ってもらい、その節は本当にご迷惑をおかけいたしました…
社長ごめんなさい(;ω;)

『1㎜なんて分かんないんじゃない?』などと思ってしまう元来大雑把なワタクシにとっては、
結構衝撃的な出来事でございました。
その後の仕事に対する考えを改めさせられた、本当に良い勉強になったのを覚えていますm(_ _)m
そんなわけで、特に日本製の少々お高めのお洋服には
『職人魂』という付加価値も付いているということも覚えておいていただけると大変嬉しく思います笑
話を戻しますが
オーダーいただいたチュニックのレースも、お客様にイージーケアで綺麗に着用していただくため
もちろんレースの輪郭に沿ってステッチ留めをしていますが、
こんな時に役立つのがこの『ミシン押さえ』ということになります。
しっかし、この押さえが結構なじゃじゃ馬でねぇ( ̄(工) ̄)←使いこなせてないのを物のせいにするダメな人
この押さえを使用する際にはミシン『送り歯』を下げる必要があるのですが
(つまり下げられないミシンでは使えないと思われます)

ちなみに『送り歯』というのは布を送って(進ませて)くれる大事な部分。
これを下げるということは、ミシンは自動で布を送ってくれないということですので、
自らの両手でしっかりと布を押さえて縫いたい方向に布を動かしてしていかなきゃいけないわけです。
布を動かすスピードが速すぎても遅すぎてもダメなので、慣れるまではちょっと大変ではありますが
前後だけじゃなくて、行きたい方向に布を縫っていくことが出来るって凄い便利〜(°▽°)ってちょっと感動しちゃいます。
なぜなら…過去のアパレル会社にはこのような押さえが無く、
レース付けの際は普通の直線縫いの押さえを使って、押さえを何百回と上げ下げしながら細かな方向転換をしなくてはならなくて…
『もっと効率的な良いグッズはないものか?』と思っていたので感慨もひとしお( ̄(工) ̄)
なかなか便利な押さえではありますので、取り付けられるミシンをお持ちの方で
ご興味がある方は参考にしていただけたら幸いです(о´∀`о)
ちなみにコチラの押さえを使う際、私的に必須だと思うのは『フットコントローラー』↓
(※足で踏むことでミシンのスタートストップが出来るもの)

両手で布を押さえて動かす必要があるので絶対にあった方が良いと思います。
こちらもご参考までに。
さぁ!アナタもこのじゃじゃ馬(押さえ)を乗りこなして、
私と一緒に新たな『ミシンの扉』開いてみませんか?(о´∀`о)

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