前回は家庭用ミシンの押さえの幅についての豆知識を書きましたが↓
この『押さえ幅は8㎜の法則』を使って、ぜひ縫って頂きたいのが洋服の『衿つけ』です。
お洋服を作られる方にとって、衿付けは他の箇所を縫うよりも難しいと感じる方が多いかと思います。
これは縫製会社あるあるなんですが、
その会社の中でもっとも縫製の上手な人が衿付けを担当をする、という暗黙のルールがあるほど、衿付けは美しさが問われる重要な箇所です。
間違っても、今年入った新人社員さんに衿を付けさせるなんて事はありません。
そのくらい難易度が高い箇所という事になりますね(◉Θ◉)
そんな衿つけですが、綺麗に付ける為のコツというのは沢山あります。
そのコツの一つとして今回の内容も役に立つのではないかと思います(●ˇ∀ˇ●)
一般的に、衿の型紙では1cmの縫い代を付けます。
皆さんが衿付けをする際、家庭用ミシンの1cmのメモリの線に布端が合っているか見たり、
縫い目が曲がっていないか針の辺りを見たり…
目線をキョロキョロと動かしながら縫うので、なかなか早く一定に縫いづらいという事があります。
これを、縫い代1㎝ではなく、普通押さえの端に布端を合わせて、8㎜で縫ってみます。
距離を2㎜近くしただけですが、ほぼ目線を動かさずに、見やすくなります。
更に、衿ぐりは急カーブな場合もあるので、縫い代が太ければ太いほど、布が突っ張ってしまい(伸びないので)縫いづらいんです。
だから2㎜細くなっただけでも縫いやすくなります。
ちょっと騙されたと思ってやってみて下さい( ̄▽ ̄)
以前、手芸店での洋裁教室をやらせて頂いた時の生徒さんは、このやり方を使って、ほとんど曲がらずに縫えるようになりましたので、試す価値ありです。
『でも、型紙の縫い代って1cmでしょ?(´・ω・`)8㎜だと仕上がりがおかしくなっちゃうんじゃない?』って思われるかもしれませんね。
もちろん、たかが2㎜、されど2㎜です。
気になる方は、衿ぐりと衿の型紙の縫い代を先に8㎜に書き替えておく事をおすすめします。
(この先描くものも全て統一しておくと、更に迷う事なく作業が出来ます)
ただ、縫製業界では1cmの縫い代に対して、わざと7、8㎜で縫う事があります。
理由としては、
①『布には厚みがあるから』→布が折り返る際に、厚み分(1~3㎜程度)で縫い代分が取られてしまうから。
②『縫い目が見えないように、ほんの少しだけキセをかけたいから』
(キセとは縫い目が見えないように、ちょっとだけ布を被せる事を言います)
ちなみに、縫い目が見える事を、縫製業界では『縫い目が笑ってる』とか『歯が見える』とか言ったりもしますよ( ̄∀ ̄)↓
つまり、①②の理由で、縫い代が少なくなってしまうと考えられる分量を見越して、
最初から少ない縫い代で縫っておくと、仕上がりではピッタリになるという考え方です。
だから、むしろ型紙の縫い代は1cmのままで、上記の方法8㎜で縫って頂いても構わないと思います。
衿付けが今までよりも早く上手になるかもしれませんよ(´▽`)
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