袖を綺麗に付ける為の『いせ込み』について②

前回記事では『袖山をいせ込む前の基礎知識』について書きました。

袖を綺麗に付ける為の『いせ込み』について①
さて、前回記事までは『ギャザー』について書きましたが↓ついでなので、同じ技法を使う『袖山のいせ込み』について書いていきたいと思います。余談ですが…私の記事では『やり方』と『なぜそうした方が良いのか?という簡単な理屈』をなるべくセットで書くよ...

今回は実際にいせ込んでいく時のポイントを、順を追って書いていきます。

◉家庭用ミシンの普通押さえの幅を使って粗ミシンを二本かける

粗ミシンのかけ方は、以前の記事『ギャザーを綺麗につくるコツ①』で詳しく書いていますので、

そちらを参考にして頂きたいと思います。

ギャザーを綺麗に作るコツ①
ギャザーというのは、例えばこんな感じに縫い縮めるデザインの事ですね↓メンズだとあまり見かけませんが、レディースや子供服や小物などでは、ギャザーデザインを結構見かけます。個人的にはギャザーデザインが好きですが、好みじゃない方もいらっしゃること...

洋裁本によって異なることもありますので、毎回迷うことのないように、

お使いの家庭用ミシンの普通押さえ幅が8㎜であればそれを利用して、8㎜とその半分の4㎜の幅で2本ミシンがけします。

粗ミシンの縫い目も、最大メモリよりちょっと細かめでかけるのが良いと思います。

特に袖山はカーブなので、押さえの幅を使うと簡単でおすすめです。

◉袖の前後合印の3〜4㎝下まで粗ミシンを入れる

これも洋裁本によって色々違いはありますが、『合印より下の方』という認識でいれば、あまり問題無いと思います。

3〜4㎝くらい下ならば、粗ミシンを合印の1㎝下位までほどけば、縮める際の糸が引きやすくなります。

糸を引く面は、できれば袖布の裏面から

これは写真のように、袖を縫い付ける際に上になる面(袖布の裏面)の糸を縮めておいた方が良いという事です。

以前の記事『ギャザーを綺麗につくるコツ②』 でも書きましたが、

布の裏面の糸と表面の糸を両方とも引っ張ってしまうと、糸が動きにくくなってしまいます。

ギャザーを綺麗に作るコツ②
今回は、前回①の続きから↓【ギャザーを綺麗に作る為に知っておきたいこと】◉合印を必ず入れるまず、ギャザーを寄せる前に必ず確認しておいて欲しいのが、「付ける方の布、ギャザーを寄せる方の布」の両方に合印が入っているかどうか。これは均等にギャザー...

袖を付けながら、いせ込みの分量を調整したい時に、糸を縮めたり伸ばしたりしながら、

スムーズに調節が行えるように

出来れば、最初から糸を引っぱる面を決めておくと良いですね(´∀`)

◉縮めた袖山は一旦縮めて、ギャザーが無くなるまで広げる

洋裁本では、『袖ぐりの寸法まで糸を引いて縮める』と書いてあることが多いのですが、

これって、いちいち合わせながら縮めるの面倒臭いです…(´Д` )

ので、一旦ギューっと縮めてから伸ばして下さい。

もちろんですが、ギャザーになった部分が残っていると、袖山に『布をつまんだ』部分が出来てしまいますのでご注意です(´Д` )

↓このくらい伸ばしてしまいましょう。伸ばしても綺麗な丸みになっているはずです。

そして、袖ぐりに合わせてまち針を打ちながら、軽く寸法調整すれば良いのです。

◉いせ込み分量が多い場合は、アイロンで縫い代を馴染ませる

個人的には、いせ込み分量の少ないもの(ブラウスなど)に関しては、

アイロンで縫い代を馴染ませる作業をしなくても、十分綺麗に袖付けが出来ると思います。

逆にコートやジャケットなど、中に服を着るアウターのようなものは、いせ込む分量(ゆとり)が多いので、

アイロンで馴染ませる作業をすると縫い合わせやすく、綺麗な立体感が出せると思います。

通常、洋裁本では『袖まんじゅう』などを使うように書いてありますが↓

無くても、こんな感じで↓縫い代のみを平らに馴染ませる事が出来るんですよ(°▽°)

皆さまのお袖付けが手早く綺麗になりますように(*´∀`*)

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